児童発達支援管理責任者(児発管)とは?なり方・要件・研修・給与を網羅解説

監修者

ブロッサムグループ株式会社
代表取締役 福留 忠義

ブロッサムグループ株式会社(ブロッサムジュニア)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める福留 忠義氏。
飲食・営業畑で培った店舗運営と人材育成の経験を活かし、2018年に「ブロッサムジュニア」を立ち上げる。2019年に本格的にフランチャイズ展開を開始。
わずか6年で全国70事業所以上に拡大した成長、「不採算撤退ゼロ」を達成。
2025年6月現在、全国に76 事業所を展開しており、3ヶ年で100事業所増へ拡大することを目指す。
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児童発達支援を開業したいんですが、「児発管」の確保が大変だと聞きました。そもそもどんな資格で、どうやったらなれるんですか?

ブロッサム

児発管(児童発達支援管理責任者)は、事業所に必ず1名以上配置しなければならないキーパーソンです。なるためには5年以上の実務経験+研修修了が必要で、採用の難しさは開業準備で最大の壁になることも多いですよ。

児童発達支援管理責任者(児発管)は、児童発達支援や放課後等デイサービスを運営するうえで欠かせない存在です。事業所の開業にあたって「児発管がいなければ指定が取れない」ため、採用を控えている事業者や、自ら児発管を目指す方にとっては最重要の情報になるでしょう。

本記事では、児童発達支援管理責任者の役割から資格要件、実務経験3パターンの判定方法、研修制度の流れ、給与相場、そして採用が難しい理由と確保するための具体策まで、事業者・求職者の両方の視点で網羅的に解説します。

目次

児童発達支援管理責任者(児発管)とは?役割と配置義務

まずは児発管がどんな仕事をする人なのか、基本的な役割を押さえておきましょう。

児発管の3つの役割(個別支援計画・スタッフ指導・関係機関連携)

児童発達支援管理責任者の仕事は、大きく分けて3つあります。

  • 個別支援計画の作成・管理…利用する子ども一人ひとりの発達状況をアセスメントし、目標と支援内容をまとめた「個別支援計画」を作成。6ヶ月ごとにモニタリングして見直す
  • 現場スタッフへの指導・助言…児童指導員や保育士など現場スタッフが適切な療育を行えるように、技術面・対応面でアドバイスする
  • 関係機関との連携…保護者、相談支援事業所、保育園・学校、医療機関などとの情報共有や連携窓口を担う

つまり児発管は、「子どもへの支援を設計し、チームを導き、外部とつなぐ」事業所の司令塔です。この役割の重さゆえに、配置義務と資格要件が厳格に定められています。

事業所に1名以上の配置が義務

厚生労働省の基準により、児童発達支援・放課後等デイサービスなどの障害児通所支援事業所には、1事業所あたり1名以上の児発管を配置しなければなりません。

この配置が1日でも欠けると「人員欠如減算」が適用され、報酬が30%カットされる可能性があります。さらに長期間欠如が続けば、最悪の場合は指定取消のリスクも。児発管の確保は事業運営の生命線と言っても過言ではないでしょう。

サービス管理責任者(サビ管)との違い

児発管と混同されやすいのがサービス管理責任者(サビ管)です。両者の最大の違いは「対象者の年齢」にあります。

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項目児童発達支援管理責任者(児発管)サービス管理責任者(サビ管)
対象者18歳未満の障害児18歳以上の障害者
配置される事業所児童発達支援、放課後等デイ等就労支援、グループホーム等
研修体系共通(基礎→実践→更新)共通(基礎→実践→更新)
実務経験要件障害児・者支援等で5年以上同左

研修体系や実務経験の要件は基本的に同じですが、それぞれ別の研修区分として受講する必要があります。サビ管の資格を持っていても、児発管として配置するには児発管の研修区分で修了していなければならない点に注意してください。

児発管になるための資格要件|実務経験3パターン

児童発達支援管理責任者になるには、まず一定の実務経験を満たしたうえで、所定の研修を修了する必要があります。実務経験のルートは大きく3パターンに分かれます。

パターン①相談支援業務ルート(通算5年以上)

障害者や障害児に対する相談支援業務に従事した経験が通算5年以上あり、かつそのうち高齢者支援業務を除いた期間が3年以上あるケースです。

具体的には、以下のような施設・事業所での相談業務が該当します。

  • 障害児相談支援事業所
  • 児童相談所、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所
  • 福祉事務所、発達障害者支援センター
  • 地域生活支援事業の相談支援業務

パターン②直接支援業務ルート(5年or8年以上)

障害者・障害児への直接支援業務(入浴・食事等の介護、生活訓練、療育など)の実務経験によるルートです。必要な年数は保有資格によって異なります。

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条件必要年数該当する人の例
指定の国家資格等を保有5年以上保育士、社会福祉士、精神保健福祉士、教員免許保有者 等
上記資格を保有していない8年以上無資格で障害者施設や介護施設で直接支援に従事してきた方
※いずれも高齢者支援業務を除いた期間が3年以上必要

児童養護施設、障害者支援施設、障害児入所施設、介護老人保健施設、放課後等デイサービスなどでの勤務が該当します。保育園での勤務経験も直接支援業務としてカウントされるケースがあるため、保育士経験者は要チェックです。

パターン③国家資格+実務経験ルート

医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師など、指定の国家資格を持ち、その資格に基づく業務に通算5年以上従事しているルートです。

このルートの場合も、障害者・障害児・児童への支援業務の期間が3年以上含まれている必要があります。たとえば「看護師として病院で10年勤務したが、障害児支援の経験はゼロ」という場合は要件を満たしません。

「うちのスタッフは該当する?」判定チェックリスト

事業者が自社スタッフの中から児発管候補を探す際に使えるチェックリストを用意しました。以下のすべてに「はい」がつけば、基礎研修の受講対象になります。

児発管要件チェックリスト
  • 障害者・障害児・児童を対象とした相談支援・直接支援・国家資格業務のいずれかに従事した経験がある
  • 上記の実務経験が通算5年以上ある(無資格の直接支援は8年以上)
  • そのうち、高齢者等支援業務を除いた期間が3年以上ある
  • 現在、障害児通所支援事業所に所属している(または所属予定がある)

判定に迷う場合は、都道府県の担当窓口に事前確認するのが確実です。実務経験の該当範囲は自治体によって若干の解釈差があるため、早めに相談しておくのが開業準備のコツですね。

児発管に必要な研修の流れ|基礎→OJT→実践→更新

実務経験の要件を満たしたら、次は研修です。児発管になるための研修制度は「基礎研修」→「OJT(実務経験)」→「実践研修」→「更新研修」の4ステップで構成されています。

STEP
基礎研修(計15時間)

サービス管理責任者等基礎研修を受講。講義と演習で構成され、個別支援計画の作成手法やアセスメントの考え方を学びます。修了すると「基礎研修修了者」となり、事業所で個別支援計画の原案作成が可能に。

STEP
OJT期間(原則2年以上)

基礎研修修了後、障害児通所支援事業所などで実務を積む期間。実践研修を受講するためには、基礎研修修了から5年以内に2年以上の実務経験が必要です。ただし条件を満たせば6ヶ月に短縮できます(後述)。

STEP
実践研修(計14.5時間)

OJT期間を終えて受講。より実践的な演習が中心で、修了すると正式な児童発達支援管理責任者として事業所に配置できるようになります。

STEP
更新研修(5年ごと/計13時間)

実践研修修了後、5年度以内に1回の受講が義務。受講しないと児発管としての資格が失効し、事業所の人員基準を満たせなくなります。

基礎研修(計15時間)の内容と申し込み方法

基礎研修は各都道府県が実施しており、年に数回(多くは夏〜秋に集中)の開催です。申し込みは原則として事業所経由で行い、個人での申し込みは多くの自治体で受け付けていません。

研修内容は、障害児支援に関する講義(障害特性の理解、権利擁護など)と演習(アセスメント手法、個別支援計画の作成実習)が中心。2〜3日間の日程で行われるのが一般的です。

事業者向けポイント

開業前でも、研修の受講は可能です。ただし申し込み時に「配置予定の事業所」の情報を求められるため、法人設立と物件確保を先に進めておく必要があります。研修の定員が埋まると次回開催まで半年以上待つケースもあるので、開業スケジュールから逆算して早めに動くのが鉄則です。

OJT期間(原則2年)と6ヶ月短縮ルール

基礎研修修了後から実践研修を受講できるようになるまでのOJT期間は、原則2年以上です。しかし以下の条件を満たせばOJT期間を6ヶ月に短縮できるルールがあります。

  • 基礎研修の受講開始時点で、すでに実務経験要件を満たしている
  • 相談支援業務または直接支援業務に3年以上(資格なしは8年以上)従事済み
  • 障害児・者支援の経験が含まれている

この短縮ルールを活用すれば、ベテランの保育士や児童指導員を社内で児発管候補に育成し、最短6ヶ月で正式配置までたどり着けます。採用が難しい児発管を「外から取る」のではなく「中で育てる」戦略として、事業者は積極的に活用したい制度ですね。

実践研修(計14.5時間)を修了すれば正式配置OK

実践研修は2日間程度の日程で、サービス提供プロセスの管理や人材育成に関する演習が行われます。修了すれば晴れて児発管として正式に配置可能に。修了証は紛失しないよう大切に保管してください。

5年ごとの更新研修を忘れると資格失効

児発管は国家資格のように一度取れば一生有効というものではなく、5年度ごとに更新研修(計13時間)を受講する義務があります。

万が一、期限内に更新研修を受講できなかった場合、児発管としての資格が失効してしまいます。事業所としては配置義務を満たせなくなり、人員欠如減算や最悪の場合は指定取消につながるリスクも。更新時期は事業所側でしっかり管理しておく必要があるでしょう。

児発管の給与相場|月給25万〜37万円の内訳

児発管を「採用する側」にとっても「目指す側」にとっても気になるのが給与の水準です。公的データと求人市場の両面から見ていきましょう。

厚労省データで見る平均年収(常勤445万円)

厚労省の「令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると、児童発達支援管理責任者(常勤)の平均月給は約37万1,000円、賞与を含めた平均年収は約445万円とされています。

過去5年間の推移を見ると、平均月給は36万〜37万円台で推移しており、コロナ禍で一時的に下がった時期を除けば緩やかな上昇傾向が見て取れますね。

施設形態別・地域別の給与差

同じ児発管でも、働く施設や地域によって給与はかなり異なるのが実態です。

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施設形態年収レンジ(常勤)
医療型児童発達支援約450万〜490万円
児童発達支援(センター以外)約350万〜430万円
放課後等デイサービス約300万〜400万円
福祉型障害児入所施設約400万〜490万円
出典:令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果(厚生労働省)

地域別では、東京・神奈川・埼玉などの首都圏が月給28万〜35万円、地方都市では25万〜30万円が求人市場の中心レンジとなっています。首都圏は人材獲得の競争が激しいため、給与を高めに設定している事業所が多い印象です。

今後も給与は上がりやすい構造

児発管の給与が今後も上がりやすいと言える理由は明快で、需要に対して供給が圧倒的に足りていないからです。

児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所数は年々増え続けており、それに比例して児発管の需要も増加しています。一方で、児発管になるには最低5年の実務経験が必要であるため、供給は急には増えません。この需給ギャップが続く限り、採用競争は激しくなり、給与水準も上昇圧力がかかり続ける構造になっています。

ブロッサム

ブロッサムジュニアでは、児発管を月給30万円以上で採用する加盟店が多いです。処遇改善加算を活用すれば、法人の持ち出しを抑えながら競争力のある給与を提示できますよ。

児発管の採用が「開業最大のボトルネック」になる理由と対策

ここまでの内容でおわかりのとおり、児発管は「なるまでに最低5年の経験が必要」「研修の定員に限りがある」「需要が供給を大幅に上回っている」という三重苦を抱えた人材です。開業準備で物件もお金も揃ったのに、児発管が見つからず開業が延期になる…というケースは珍しくありません。

なぜ採用が難しいのか?3つの構造的理由

  • 資格取得までのハードルが高い。5年以上の実務経験+研修修了が必要で、有資格者の総数が限られている
  • 事業所数の急増で需要が供給を大幅に上回っている。放課後等デイサービスだけでも全国22,000カ所以上あり、すべての事業所に最低1名の配置が義務
  • 既存事業所からの引き抜きが難しい。児発管が抜けた事業所は人員欠如減算になるため、在職中の児発管を転職させること自体が困難

結果として、求人を出しても応募がゼロという状態が何ヶ月も続くことがあります。「物件・資金・人員のうち、最後まで残るのが児発管」と言われるのは、こうした構造的な理由があるんです。

採用チャネル別の特徴と費用感

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チャネル費用感メリットデメリット
求人サイト(Indeed等)無料〜月数万円幅広い層にリーチ応募数が少なく時間がかかる
福祉専門人材紹介年収の25〜35%要件マッチした人材を紹介採用コストが100万円超になることも
ハローワーク無料コストゼロ児発管クラスの専門人材は登録が少ない
FC本部の人材ネットワークFC加盟金に含まれるケースが多い本部が蓄積した候補者情報を活用FC加盟が前提
社内育成(基礎研修修了者を育てる)研修費のみ(数万円)低コスト・組織文化にフィット正式配置までOJT期間が必要

独立開業の場合、求人サイト+ハローワークで半年以上探して見つからなければ人材紹介会社に依頼するのが一般的な流れ。ただし紹介手数料が100万円を超えるケースもあるため、開業予算にあらかじめ組み込んでおくべきです。

「基礎研修修了者」を2人目として配置するテクニック

じつは、基礎研修を修了しただけの段階(実践研修はまだ)でも、事業所の2人目の児発管として配置することが認められています。

つまり、正式な児発管を1名確保したうえで、基礎研修修了者を「見習い児発管」として配置し、OJTを経て実践研修を修了させれば、将来の2拠点目用の児発管を社内で育てることができるわけです。

このテクニックを活用すれば、「1拠点目で正式児発管を採用→基礎研修修了者を育成→2拠点目には社内の児発管を配置」という流れで、多店舗展開のボトルネックを解消できます。

FC本部の人材ネットワークを活用する方法

児発管の採用難を乗り越える方法として、FC(フランチャイズ)本部が持つ人材ネットワークを活用するという選択肢もあります。

ブロッサムジュニアの場合、全国200拠点以上の運営を通じて蓄積した人材データベースがあり、加盟店の開業エリアに合わせて児発管候補をマッチングする体制が整っているのが強みですね。

ブロッサムジュニアの児発管サポート
  • 本部の人材ネットワークから児発管候補を紹介
  • 基礎研修修了者の社内育成をサポートする研修制度
  • 求人原稿の作成・採用面接のアドバイスも本部が支援
  • 更新研修のスケジュール管理も本部と連携して漏れを防止

個人で開業する場合、児発管の採用に半年〜1年以上かかることも珍しくありません。FC本部のネットワークを使えるかどうかは、開業スケジュールの遅延リスクを大きく左右する要素になるでしょう。

児童発達支援管理責任者に関するよくある質問

児発管になるには最短で何年かかりますか?

指定の国家資格(保育士・社会福祉士等)を持っている場合、直接支援業務5年以上+基礎研修+OJT6ヶ月(短縮ルール適用時)+実践研修で、最短約5年半で児発管になれます。無資格の場合は直接支援業務8年以上が必要なため、最短でも約8年半です。

保育士の経験だけで児発管の要件を満たせますか?

保育士として障害児保育や療育に携わった経験があれば、直接支援業務の実務経験としてカウントされる可能性があります。ただし、通常の保育園での保育のみの場合は「障害児・者支援の経験3年以上」の要件を満たせないケースがあるため、都道府県の窓口に事前確認しておくのが確実でしょう。

児発管がいないと事業所はどうなりますか?

児発管が欠けた状態が続くと「人員欠如減算」が適用され、報酬が最大30%カットされるペナルティを受けることに。さらに長期間欠如が解消されない場合は、都道府県から指定の取消処分を受けるリスクもあります。退職や休職に備えて、基礎研修修了者を社内で育成しておくことが重要です。

管理者と児発管は兼務できますか?

はい、兼務可能です。実際に多くの事業所で管理者と児発管を同一人物が兼務しています。とくに定員10名の小規模事業所では兼務によって人件費を1名分圧縮できるため、開業初期のコスト管理に有効な方法といえるでしょう。

まとめ|児発管の確保が事業の成否を左右する

最後に、本記事のポイントを整理します。

この記事のまとめ
  • 児発管は個別支援計画の作成・スタッフ指導・関係機関連携を担う事業所の司令塔
  • 資格要件は実務経験5年以上(無資格の直接支援は8年以上)+研修修了
  • 研修は「基礎→OJT(原則2年、最短6ヶ月)→実践→更新(5年ごと)」の4ステップ
  • 平均年収は常勤で約445万円。人材不足で今後も上昇傾向
  • 児発管の採用が開業最大のボトルネック。社内育成やFC本部の活用で確保手段を確保しておくべき

児発管の確保は、児童発達支援の開業において最も難易度の高い工程です。物件や資金が揃っても、児発管がいなければ事業所の指定は取れません。開業スケジュールの遅延を防ぐためにも、早い段階から採用活動を始めるか、FC本部の人材ネットワークを活用する選択肢を持っておきたいところです。

ブロッサムジュニアでは、児発管の採用サポートから社内育成の研修制度まで、加盟店の人材確保を全面的にバックアップしています。「児発管が見つかるか不安」という方は、まず資料請求でサポート内容をご確認ください。

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この記事を書いた人

ブロッサムグループ株式会社メディア&SNS戦略事業部は、社会貢献性が高く、注目を集める福祉事業。なかでも「ブロッサムジュニア」は、発達に特性のある子供を対象に、0~6歳向けの「児童発達支援」と、7~18歳向けの「放課後等デイサービス」の専門情報を発信するブログと公式SNSを運営。市場動向や成功事例、資金計画のコツをわかりやすく届け、オーナー候補の信頼を育むとともに、SEOとデータ分析でリード獲得を最大化。さらに、コンテンツマーケティングと動画施策でブランド価値を高め、コミュニティ形成を支援します。

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