「東京で放課後等デイサービス(放デイ)を開業したい。でも、どの区が伸びている?競合は多い?報酬改定で何が変わった?」
そんな疑問に向けて、全国・東京都の最新データと、23区の地域特性を整理し、開業で失敗しないための考え方をまとめました。結論から言うと、東京は需要が続く一方で、今は“数を増やす時代”から“質で選ばれる時代”へ。立地選びと運営設計を最初に間違えないことが、勝ち筋になります。
目次
東京の放デイ市場は「安定成長」ただし“質の勝負”へ
全国の放デイは、制度開始後に利用者・事業所ともに拡大し、令和7年(2025年)1~3月平均で利用人数 375,211人、事業所数 22,748か所まで伸びています。
一方で、伸び方は以前より落ち着き、今は“安定成長”の局面。ここから先は「出せば埋まる」ではなく、保護者に選ばれる設計(支援の質、専門性、運営体制)が成否を分けます。
まず「物件」より先に、誰のどんな困りごとを解決する放デイにするかを決めましょう。差別化は“設備”より“支援設計と人材設計”。開業前に勝ち筋が決まります。
東京都の利用実態:支給決定に対して“実利用が半分”=潜在需要がある
東京都の区市町村調査(令和6年6月の利用状況)では、放デイの支給決定人数は22,630人。支給決定量(平均18.2日/月)に対し、実際の利用日数は平均9.9日/月で、支給決定された日数まで利用していない人が90%という結果です。
このギャップは、「ニーズがない」よりも、現場感としては
- 希望日時に空きがない
- 送迎や時間が合わない
- 特性に合う事業所が少ない
といった“供給の設計不足”で起きやすい現象です。
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東京都の保護者ニーズ(自治体が把握している声)
東京都調査では、保護者の困りごと上位は次の通りです。
スクロールできます
| 課題(保護者の声) | 回答自治体数 | 割合 |
|---|
| 通いたい事業所に空きがない | 40 | 65% |
|---|
| 自宅まで送迎してほしい | 28 | 45% |
|---|
| 遅い時間まで運営してほしい | 21 | 34% |
|---|
| 障害の程度に合った事業所がない | 20 | 32% |
|---|
| 自己負担額が気になる | 10 | 16% |
|---|
加えて「長期休暇の預け先」「夏休み等の早い時間帯対応」など、就労継続に直結する声も示されています。
空き不足”は最大のチャンスですが、単に定員を増やすだけでは埋まりません。伸びるのは「曜日・時間・送迎・特性対応」まで含めて、保護者の生活にフィットする設計がある事業所です。
東京23区での開業戦略|エリアは「人口×競合×伸びしろ」で選ぶ
23区は一枚岩ではありません。大きく次の3タイプに分けて考えると、意思決定が速くなります。
(※23区の需要分析では、区ごとの地域事情を踏まえた判断が重要とされています)
人口密集・住宅地タイプ(世田谷、練馬、大田、足立、江戸川 など)
- 需要は強い(子育て世帯が多い)
- 競合も多い(“普通の放デイ”では埋もれやすい)
- 勝ち筋:専門性+運営の精度(送迎効率、稼働設計、支援の見える化)
都心・オフィス街タイプ(千代田、中央、港 など)
- 居住人口は相対的に少ない一方、共働き・高所得世帯の比率が高く、
「安心・品質・柔軟性(延長、急な対応)」が評価されやすい
- 勝ち筋:質の高さ/保護者対応力/情報公開と信頼
再開発・人口流入タイプ(江東、墨田 など)
- 新築供給や街の更新で、若い世帯が流入しやすい
- 勝ち筋:早期参入→地域の第一想起を取りに行く(学校・相談支援・医療との連携を先に作る)
23区エリア選定チェックリスト(開業前に必ず確認)
- 近隣小学校の数・学級規模、特別支援学級の状況(公開情報+現地ヒアリング)
- 相談支援事業所/児童発達支援センター/小児科・療育の動線
- 送迎の運行設計(片道時間・渋滞・駐停車リスク)
- 競合の「定員」「営業時間」「支援の売り」「送迎範囲」
- 自社の強みが刺さるターゲットが“実在”するか(ペルソナでなく実数)
「人口が多い区=正解」ではありません。勝てるのは“不足しているニーズ”が明確な場所。ブロッサムでは、開業前に 商圏(送迎圏)を前提にした需要仮説→競合比較→収支モデルまで一気通貫で整理します。
令和6年度報酬改定|開業者が押さえるべき“3つの流れ”
報酬改定は一言でいうと、総合的な支援の推進と、サービス提供の質・体制の評価強化です。
さらに、情報公表の未報告に対する減算など、運営の透明性も重視されます。
個別支援計画・アセスメントの重要度が上がる
「計画が形式的」だと、現場が回っているようで回らず、保護者の不信も招きます。
開業前から、アセスメント→目標→支援→記録→振り返りを運用できる形にしておくのが鉄則です。
専門職・専門的支援の評価が強まる
専門的支援に関する加算の整理・新設もあり、人材設計がそのまま収益性と品質に直結します。
情報公開・コンプライアンスが“経営そのもの”
制度は「知らなかった」では済みません。
記録・請求・公表・監査対応まで含めて、開業時点で“型”を作る必要があります。
改定後の時代は「採用できた人で回す」ではなく、必要な役割から逆算して採用・育成するのが勝ち筋です。“加算のための配置”ではなく、支援品質が上がる配置にすると、口コミも稼働も自然に伸びます。
東京都で開業するまでの流れ|最短で迷わない「5ステップ」
※制度・行政手続きは自治体や状況で差があるため、必ず最新要件を確認してください(ここでは全体像を整理します)。
コンセプト設計(誰に何を提供するか)
- 対象(学年/特性/重症度)
- 支援の柱(学習・運動・SST・生活動作・就労準備など)
- 提供時間(平日/休日/長期休暇)と送迎
立地と送迎圏で商圏を確定
- “駅近”より、送迎が回る道路・駐停車・学校動線が重要
- 送迎圏を「現実的に回せる半径」で設計(理想より運行)
人員計画(採用できる前提で組む)
- 児童指導員・保育士などの要件者の確保
- 管理者・児発管(児童発達支援管理責任者)体制
- 専門職(OT/PT/ST等)を“必要度に応じて”組み込む
収支設計(稼働率と単価の現実を置く)
- 初月から満枠前提は危険
- 送迎・長期休暇・延長など「やるほどコストが増える領域」を織り込む
運用の型(記録・計画・家族連携・評価)を先に作る
- 開業後に整えようとすると、現場が疲弊しやすい
- 最初に「書式・会議体・記録ルール」を決める
開業は“申請が通ること”がゴールではありません。開業3か月後に黒字の形が見えていることがゴールです。ブロッサムでは、開業前に「稼働計画(曜日別)×送迎計画×人員計画×収支」をセットで作り、開業後のブレを減らします。
都内で“選ばれる放デイ”を作る成功の5ポイント
東京都の保護者ニーズ(空き・送迎・時間・特性適合)を踏まえると、成功の要点は次の5つに収れんします。
- 専門性の確保(対象を絞るほど強い)
- 送迎の設計(広げすぎない、回るルートにする)
- 長時間・長期休暇対応(就労支援として価値が高い)
- 保護者との連携と可視化(支援の納得感が稼働を作る)
- 地域ネットワーク(学校・相談支援・医療と連携を作る)
ブロッサムの放課後等デイサービス開業支援
ブロッサムは、放課後等デイサービスのフランチャイズ支援/開業支援を行う立場から、東京で勝てる形を「開業前に」固める伴走をしています。
ブロッサムが提供できること
- 23区のエリア選定(送迎圏×競合×ニーズ仮説)
- 収支モデル作成(稼働・人員・加算の現実設計)
- 運営設計(個別支援計画、記録、会議体、保護者対応)
- 採用・育成の仕組み化(役割設計から逆算)
- 開業後の稼働改善(曜日別の空き対策、紹介導線づくり)
相談が多いテーマ
- 「どの区が良い?」→ 区ではなく“送迎圏の勝ち筋”で決める
- 「競合が多くても大丈夫?」→ 専門性と運営の型があれば勝てる
- 「報酬改定が不安」→ 改定の方向(質・透明性)に合わせて設計すれば追い風
まとめ|東京の放デイ開業は“需要はある。勝負は質と設計”
- 全国の利用者・事業所は増加し、放デイは安定成長局面へ。
- 東京都では、支給決定量に対して実利用が少なく、空き・送迎・時間・特性適合がボトルネックになりやすい。
- 23区は地域特性が大きく違うため、開業は「区名」より送迎圏×ニーズ×競合×運営設計で決める。
- 報酬改定の方向性は、“質が高く、透明性がある事業所”が選ばれる流れ。